下剤のメリット・デメリット

便秘はつらくて不快なもの。
時には痛みを伴い、日常生活に支障をきたす場合もあります。
生活習慣を見直したり、食事療法をしてみたり、運動を取り入れてみたりと努力はしたけれど、便秘は改善できなかったということもよく聞きます。

この状況に耐えられず、薬に頼ったことがある人も多いのではないでしょうか。
下剤(便秘薬)はドラッグストアなどで手軽に購入でき、即効性があり、地道な努力をするよりは、随分と楽に便秘を解消することができます。
一気にお腹がスッキリすることで、ダイエットができたような感覚にもなってしまい、それが癖にってしまうこともあります。

しかし、薬を飲んだだけでは、ただ単に溜まっていた便が排出されただけで、便秘の根本的な解消にはなっていません。

また、下剤の種類はいくつかあり、用途が違うと効果があらわれなかったり身体に負担をかけたりすることにもなります。
下剤について正しい知識を持ち、正しい使い方をするようにしましょう。


下剤の種類

下剤には便秘のタイプに合わせて様々な種類のものがあります。
大きく分けると5つの種類があります。
  • 膨張性下剤(食物繊維など)……………水分を吸収させ、便を軟らかくして腸の内容物を膨張させる作用。200mlほどの多めの水で服用する。
  • 塩類下剤(酸化マグネシウムなど)……腸に水分を大量に引き込み、便を軟らかくする作用。習慣性がなく、長期的に服用可能。
  • 刺激性下剤(センノサイドなど)………腸を刺激してぜん動運動を促す作用。下剤の中では効果が最も強く表れる。習慣化しやすいので注意が必要。
  • 潤滑型下剤(かんちょう、坐薬など)…腸と便との摩擦を和らげ、滑りをよくする作用。直腸に直接刺激を与えるため、その効果は即効性抜群です。
  • 整腸剤(ビフィズス菌など)……………腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える作用。

下剤のメリット・デメリット

下剤の最大のメリットは、なんといっても効果の即効性にあります。
薬を飲んだ後は、便意を催すのはいつかいつかとソワソワする人もいるのではないでしょうか。

また市販のものであれば、ドラッグストアなどですぐ購入することができ、常備薬として手元に置いておくことができます。
そういう点では、日常的に便秘に悩まされている人には便利であり、安心感を得ることができます。

その反面、薬を飲みさえすれば解消できるから大丈夫という変な安心感を持ってしまい、身体も薬を飲まなければ便意を感じなくなってしまいます。
それだけではなく頻繁に飲むようになると、身体が薬に対して耐性ができてしまい、通常の用量では効き目があらわれなくなる恐れがあります。
特に刺激性の下剤の服用を常習化していると、その中の成分が沈着して、大腸が黒く変色する「大腸黒皮症」を発症します。
「大腸黒皮症」は、腸の神経に影響を及ぼし、ぜん動運動を弱めて一層排便しにくい状況になります。

このように、一時的な便秘の解消に下剤を用いるのであれば、身体への負担は軽く、問題はないのですが、長期的な服用は健康を害することになってしまいます。


下剤ダイエットの恐怖

下剤を服用することで、「食べたものの栄養分が身体に吸収されることなく排出される=ダイエット」との安易な考えで実行している人もいるようですが、この行為は自傷行為であると警鐘を鳴らされています。

ダイエットの本来の意味は、「食事量や運動を管理して、適正な体重にしていく」ことです。

下剤を服用することによって排出されるものは、脂肪ではなく便なので、下剤でダイエットは不可能といえます。
ダイエットと称して、頻繁に服用したり量を増やしたりしていると、腸の正常な機能が失われ、自力で排便することが困難になり、慢性的な便秘を引き起こします。
また、激しい下痢になることもあり、強い腹痛や脱水症状が現れ、電解質も失われてしまいます。
自律神経が乱れたり体力を奪われたり、けいれんや意識の喪失など、危険な状態に陥ることもあります。
溜まった便を排出すれば、一時的には体重が減少することがあります。

しかし、健康を維持するために必要な水分や電解質などまで排出していたのでは痩せたことにはなりません。
外見にも影響を及ぼし、顔色の悪さや皮膚のやつれなど不健康な状態が浮き彫りになってしまいます。

「健康は腸から」と言っても過言ではありません。
腸が健康であれば、食事量や運動を管理したダイエットで体重を落としていくことができるのです。
下剤によるダイエットは身体をボロボロにしてしまうということを覚えておいてください。


医師や薬剤師に相談しよう!

これまで述べてきたことから、下剤には症状に合わせて薬を選んで服用します。
便秘の症状や経過によっては、複数の下剤を組み合わせることもあります。
薬が合わなければ、効果があらわれないどころか、副作用が出たりすることもあります。

病院を受診した場合は、処方された薬を正しく飲みましょう。
また、市販薬を購入する場合は、薬剤師に相談することをおすすめします。